一人暮らしももう限界かと感じる

やっとの思いで合格して4月から新生活を始める。そこで一人暮らし先の悲惨な物語を、不思議な体験をしたあとに聞かされる。ないも初めての一人暮らしでこんな事にならなくてもと思う。

外をエンジン音と共に車が通り過ぎ、そのヘッドライトに浮かび上がった「それ」を目にした私は絶叫。黒ずんだ人間のシルエット。長いボサボサとした髪の合間から、白く濁った眼が覗く。ベタリと窓ガラスに張り付いた両手や顔、身体の皮膚は、ぼろぼろと剥がれ落ちていた。帰って来た時に感じた、あの焦げたような臭いが蘇る。原因は「これ」だった。煮こごりのような眼と視線が合うと、「それ」は口であろうあたりを動かし、か細い声が一人暮らしの寒々しい部屋の中、妙に響く。

一人暮らしの恐怖体験を共有

気がづくと既に朝だった。私達はベッドと布団、それぞれにきちんと横になっていた。跳ね起きて窓を見やったが、特に異常はなく、カーテンは開いたまま。一人暮らしの部屋の中、変わったものは何1つとして存在せず、不審な物音も全く無い。少し遅れて目を覚ました友人と顔を見合わせ、昨夜やって来たものは何だったのかと首をひねった。少なくとも、二人共に同じ夢を見た、ということはない筈。何故なら、起きたばかりのその部屋で、消えたはずの異臭が再び漂っていたから。

一人暮らし先のとんでもない過去

結論を言ってしまえば、それはやはりこの世のものではなかった。アパートの住人たちや管理人に半ば強引に話を聞いたところ、今は借り手のいない真上に以前住んでいた人が、私が越してきたここの住人によって殺されたのだという。二階は一人暮らしを始めたばかりの女子大生で、下は彼女の二年先輩にあたる男性であった。その時は大分騒ぎになったらしいのだが、事件自体は2年前のことであり、犯人も逮捕されているから、貸し出してもいいだろうとなったそうだ。

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